スケアクロウの鳥かご

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【まどマギ】アニメを全部見終えました【感想】

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ゲームの感想が続いたと思ったら今度はアニメかよ!
というわけでアニメを見まくっていたはづきです。
超絶今更感満載ですが、まどか☆マギカを見ました(^▽^)

以前ゴリ推しされた時は全然見なかったのに…ふとしたキッカケで見てみたら
早く見ておけば良かった…」と後悔するレベルには面白かったので、
興奮が冷めやらぬ前に感想を書きます!

追記からネタバレ満載ですので未視聴の方はここでブラウザを閉じてくださいね。
お付き合いいただける方は、追記からお願いします。

因みに未視聴の方で更に「興味はある」って方がいたらぜひ、見てみてください!
個人的には神アニメの部類に入る作品だと思うので…

 

 

 

■魔法少女 まどか☆マギカ【感想】

テレビアニメ版全12話、劇場版は前編・後編、そして新編と3本が上映。
どうやら新作の話題もあるとかないとか。新編の続編が製作中?らしく。

因みに小説やコミカライズなどは読んでいません。

 

 

ストーリー展開が面白い

初め見た目が可愛らしい雰囲気なので「魔法少女達が世界を救う」みたいな
悪く言えば有りがちな設定モノかなぁ、くらいにしか思っていなかったのですが…

実際に見てみたら全然違いました

可愛らしい雰囲気も魔法少女と言う設定も視聴者をどん底へ叩き落とすための1つの罠です。
確かに「魔法少女達が世界を救う」のですが、魔法少女になるための条件がアニメではタブーで
これ放送して良いんか?!」と見ながらドキドキしてました。リアルタイムで見ていたら
毎週毎週落ち込んでただろうなあ…ロンパ3並みの悲しみが来て再び絶望していました。

1~2話までは魔法少女になるには、とか登場人物達がどんな子で何を抱えているのかなど
土台を知る内容になっています。まあこの辺りまでは割と普通だと思うのですが…

アニメを視聴された方は分かるであろう、あの衝撃の第3話。

私は初見でマミさんとほむらが好きだったので、3話でマミさんが惨い殺され方で呆気なく
フェードアウトした時は本当にショックでした…
ここで1つ目のタブー「設定にそぐわない殺され方」があります。


他にもマミさん退場後、今度は親友のさやかが魔女化して退場。併せて杏子も退場。
9話までで約3人の魔法少女が死ぬと言う2つ目のタブー「メインキャラを退場させる」ことが
立て続けに起こります。10話時点で残りの魔法少女はほむらだけになります。
3つ目のタブーとして「主人公が魔法少女にならない」ことも視聴者にしてみると違和感が
あります。3つもタブーを犯す魔法少女アニメなんてそうそう聞かないですけど…

 

とまあこんな感じでやたらとタブーを犯すアニメですが、そう言った点が逆にファンを集める
起爆剤になっているのかな、と思ったりもします。現に私もそこに惹かれていますし。

好き嫌いは分かれる(絵も含めて)と思いますが、Fateや化物語が好きな人はお好きかと。
化物語はシャフトですしね。独特のコマ割りに苦手意識がなければ視聴をオススメ。

 

 

個性豊かなキャラクター

魅力的な作品を作るには個性豊かなキャラクターを生み出さねばなりません。
それはまどマギにも当てはまり、それはそれは大層魅力的なキャラクターが存在して…

いるわけでもありません。ぶっちゃけ、普通の女の子に変わりありません。
しいて言うならキャラ毎に背負う過去が重過ぎることくらいですかね。


マミさんは生死を彷徨ったし、さやかは想い人を横取りされ、杏子は家族を奪われた。
そしてほむらは幾度となく時間遡行して、まどかを助けようとした。

皆"どうにかしないといけない"状態に追い込まれていて、その時にキュウべえに付け込まれ
魔法少女として生きて行く道を選択するわけです。無理矢理選んだわけではないけれど、
そうせざるを得ない状況下で現れるのがインキュベーターなのです。

インキュベーター=キュウべえですが、初めは可愛げのあるマスコットとして登場し
魔法少女達の道標的な立ち位置にいますが、話が進むにつれ段々と本当の狙いを話し始める…
まんまと騙された感はありました(笑)さやかを魔法少女化させる時まで気付かなかった。
「やたら魔法少女化させることに拘るペットだなぁ」くらいにしか思わなかった(笑)


他にも個性豊かなキャラクターは多数存在しますが、上記主要メンバーが
まどマギをより面白くさせ、ファンを魅了させていると思います。

マミさんとほむほむのスピンオフください…あるなら教えてください…

 

 

魔法少女というジャンルについて

自分の中で【魔法少女の定義】って、衣装に変身して武器持って敵と戦って、
倒しつつ成長もしていく、みたいな感じで、確かに戦ってリスクを負う(怪我とか最悪死も)
ことと隣り合わせなんだけど、そこまでそこを強調して描かないもの、だと思っていました。

と、言うのもそこを強調して描いてしまうと、内容がかなりヘビーになる上に、
メインキャラクターをボコボコにしなきゃいけなくなって、結果ファンがキレて減るという
アニメ存続も危ぶまれると思っていたからです。あくまでファンタジーを強調し、
見ている人に「元気」「勇気」を与えて、夢を見せるものだと思っていました。

まどマギはそれを軽~く超えて行きました。最早そんな壁ありました?くらいの勢い。
独特のコマ割りで何となく「只ならぬ雰囲気」を醸し出しつつ、3話目という驚異のスピードで
前述したタブー(メインキャラを殺す)を犯す。「1つだけ願いを叶える」という甘い話を持ち掛け
純真無垢な少女達を魔法少女へと誘うあくどさに一瞬だけ、嫌悪感を抱きました。

魔法少女ってもっと見ている人に勇気と感動を与えてくれるジャンルだと思っていただけに
かなり衝撃を受けました。でも、その嫌悪感を超えた先に、魔法少女ということだけではなく、
自分がどう生きて行くべきか、どうあるべきなのかが分かった気がします。
少なくともまどかは急成長したし、ほむらも成長出来ていました。

 

 

■個別キャラ感想

主要キャラクターの個別感想を書きます。
キャラによってバラつきがあります。すみません…。

 

鹿目まどか

本作品の主人公。ほむらのせいでとてつもない因果律を集めまくった彼女。
キュウべえに「早く魔法少女になれ」と急かされても、最終話まで魔法少女にならず
「いつなるんだ」と視聴者をドキドキさせましたね。理由はあったんですけども。

おどおどしていて、どこか頼りない至って普通の女の子なのですが、ここぞ。という時は
誰に何を言われても譲らなくて、ある意味芯の強い子です。
優しい子なのですが、時々場の空気を読めず正論をとうとうと述べる癖があるので
苦手な人は苦手かも知れません。(私の友達も苦手だと言っていました)

良い子なのですが根が真面目過ぎる上に、夢見がちな箱娘的部分もあるため、
中々受け入れにくい子ではありましたがラストは鳥肌が立ちましたね。
皆のために「過去現在未来全ての魔女を生み出す前に消し去る」という発想は思い付いても
実行に移せないと思います。その分の対価が膨大過ぎて不安ですからね。

それを実行して、概念化してもなお友達を見守り続けるまどかの姿に感動しっぱなし。
最後が思いの外ファンタジー過ぎてついていけない部分もありましたが、
彼女が皆を守る、助けたいと願った気持ちに嘘はないんだと思うと凄く納得出来ました。

このアニメに相応しい主人公ですし、彼女以外には考えられないですね。

 

美樹さやか

まどマギを語る上で忘れちゃいけないのが『美樹さやか』ちゃん。
初めはまどかの親友ポジションで支え続ける子なのかなと思っていました。

5話くらいから段々「これ違うな…」と思い初め、回を重ねる毎にどんどん酷くなり
最終的には魔女化してしまう始末。彼女が何故こんなにも残酷な終わり方を迎えねば
いけなかったのかとマジで悩み苦しみました。しかも原因が「恋愛」と言う…

さやかは至って普通の子で、突っ走る癖はあるけれど、とても優しい子でした。
幼馴染のためにCDを買ってあげたり、自分が人間でなくなったことに自己嫌悪して、
みすみす友達に幼馴染を受け渡したり…本当に普通で良い子だったのに。

途中から急に歯車が狂い出す瞬間は誰にでも経験があるものだと思います。
だからこそ余計に感情移入してしまい、彼女があの結末を迎える時は本当にショックで。
彼女を助けてあげたかったけど、どの時間軸でも彼女が魔女化しているところを見る限り、
それは困難だったのかも知れませんね。切ない…

まどかとすれ違う時も、仁美が告白するシーンを覗き見る時も、
電車の中で耳を疑うような話をしている人間を見た時も。

どんな時でも「自分を犠牲にする」ことを止めなかったさやかちゃん。
せめて幸せな時間を過ごせるよう、願わずにはいられません…

 

巴マミ

推しキャラの1人であるマミさん。「マミる」という言葉を作り出してしまう程、
視聴者に愛されたキャラです。それも第3話で衝撃の展開を迎えたことに尽きるでしょう。

初めは先輩キャラで皆を引っ張って行きつつ、自分と若手の差に苦しみながら
時に反発して、最後は皆で力を併せて頑張りましょう!という結論になるのかなぁ、と
思っていましたが全然違いましたね。3話の衝撃が大き過ぎる。。。

彼女が魔法少女になったキッカケが交通事故に遭ったところにキュウべえが現れ
「魔法少女になるかならないか」を選択させるという、究極にエグい理由だったと知り
そりゃ生き死に掛かってるならなるとかならないとか考えられないでしょ…

因みに彼女が作り出しているマスケット銃ですが、実は初めはリボンを武器化して
戦うことしか出来なかったそう。でも練習して努力を重ねた結果、リボンから銃を生成し
武器にすることが出来たとか何なんですか?天才ですか?
まあキュウべえも素質があるとか言ってたし、元々才能があったのかも知れませんが
寄りにも寄ってそんな時に来るとか…狙いとしか思えない。。。

最後の最後で生き残ることが確定しているので、とりあえず少しは救われるけど。
生き残った世界でちゃんと幸せに生きて欲しいですね。

 

佐倉杏子

初めはなんだコイツ?!と思った人も多いであろう、杏子ちゃん。口は悪いわ情け無用だわで
散々な彼女ですが、最後の最後で好感度ぐんぐん上昇して、結果良い子過ぎて泣きました。

自分に似ていると言う理由で、さやかを助けようとする杏子。でもさやかが意地になっちゃって、
全然聞く耳を持たないんですよね…あんなに助けようとしていたのに。

お父さんが宗教を広めれば広める程、客足が段々と遠のき終いには人が寄り付かなくなった。
そんなお父さんを見かねて、杏子がキュウべえにお父さんの話を聞いてくれるよう、願う。
願い通り人が集まって来たが、理由が話を聞きに来たわけではないと知り、父親が自暴自棄に。
最終的に家族が一家心中…杏子だけを除いて。彼女は父親に「魔女だ」と言われたそうで…
魔女狩りをしているのに、魔女だって言われた。と吐き捨てるように言う姿があまりにも
痛々し過ぎて話をまともに聞けませんでした。

家族が目の前で死んで行って、助けてあげられたかも知れないのに、間に合わなかった。
この真実を背負うにはあまりにも大き過ぎて、杏子からしてみれば本当に耐え難い現実だったと
思います。その所為で「人のためじゃなく、自分のために生きる」ことに考えをシフトして
平気で食べ物を盗む始末。理由が理由だけど、さやかは遠慮なく責め立ててるし、
ここでもすれ違うんだよなあ。この子根が良い子だから余計に正義感感じてたんだろうし。

最期は魔女化したさやかと相討ちして自爆するという何とも悲し過ぎる結末。
一人で死ぬのは寂しいもんな、と言う言葉があまりにも優し過ぎて、この子も別世界で
ちゃんと幸せに生き続けて欲しいなあ…と願います。

 

暁美ほむら

個人的には第二の主人公はこの子だと思ってます(巷ではさやかと言われていますが)
運命に縛られ続けた彼女が幸せになる方法はあるのだろうか…
とドキドキしながらアニメを最後まで見ていましたが、どうにも不完全燃焼。
どうやら劇場版で明かされるみたいですね。色々気になる点を回収してくれると良いけど。

元々ほむらは内気なタイプで、逆にまどかが活発で皆を引っ張るリーダ的存在でした。
ですがワルプルギスの夜でまどかが死に、自分を守り続けてくれた彼女が死ぬことは
ほむらにとって耐え難い真実なので、彼女を守る(魔法少女にしない時間軸に移動する)ため
魔法少女として契約を結び、時間遡行を繰り返す。そのためまどかに因果律が集中した。

時間遡行を繰り返した、ということで何度も何度もまどかが死ぬところをみている彼女。
言葉じゃ表せられない程、辛い現実だったと思います。大好きな子が何度も亡くなる瞬間を
見るのは本当に耐えられないと思う…しかも守れなかったという後悔付きですし…

どうやってこの精神力を付けたんだろ…って思いましたが、嫌でもそうなったんでしょうね。
初めは三つ編みで眼鏡を掛けてモジモジしていたのに…最終的におさげを無くして、
眼鏡を外し、堂々と前を向いて歩く。言葉遣いも目付きも明らかに変わって、凛々しくなった。
アニメ1話で保健室の場所が分かっていたのも、キュウべえを追い掛け回していたのも
全部知っていたから、まどかを助けるためだったから。なんですね。

そう思うとどこまでまどかが好きなんだよと突っ込み入れたくなるレベルですが
逆に羨ましいです。そこまで助けたいと思える人間ってそうそういませんし(友達少ない故の発言)

最後も一人切りで頑張って魔獣退治してたし、マジで幸せになって欲しい子なんで、
劇場版で幸せになって欲しい。

 

主要キャラ5名の感想は以上です。愛の差があるような気もしますが悪しからず。
因みにキュウベえの感想を書こうかなと思いましたが、何か良い感想にならない気がしてやめました。

 

 

最後にアニメの総評をサラッと。

全12話で構成されている『まどか☆マギカ』ですが、とても12話とは思えない程
濃密に練られた世界観やストーリーだったと思います。止め時が分からなくて、第3話くらいから
ノンストップで見てしまいました。11話のお母さんとの会話は泣きましたね。何と言うか、
こういう「最終的に忘れるのに、それを受け止めて送り出す」姿に弱いんですよ…
お母さんは「娘の無事を祈る」と願い言葉にしながらも、心のどこかでは「諦めた」ところも
あって、彼女をみすみす手放さなくてはいけないところがもうグッと来ましてね…
ここでもう涙腺崩壊して大変なことになっていました(笑)

そのあとほむらがワルプルギスの夜に立ち向かって、ボロボロになっているところへ
まどかが登場し、魔法少女になる決意をする。そこで皆がまどかのことを忘れてしまうことを
嘆いたほむらに対して「大丈夫、私は皆のことを守れて幸せだから」と言い放ち、
概念化するまどかが何かもう本当に神過ぎてひたすら泣いてました…

でもってほむらだけ忘れないと言う。彼女だけが覚えているという真実がどれほど大事か、
アニメを12話分見て来た私には分かりましたよ(笑)!

マミさんと出会い、彼女を亡くし、さやかが魔法少女になり、更に彼女も亡くなり、
杏子も相討ちして命を落とす。悉く仲間が亡くなり、どうしたら良いか主人公も視聴者も
分からなくなるアニメは見たことがありませんでした。
そう言った意味では本当に様々な事柄を考えさせられるアニメでした。
最近同じようなテーマ(主題)の作品ばかり見ているからか、良く泣いては頭が痛くなり
ティッシュをボックスで使い込んでましたけど…

絵からは想像も出来ない程、暗いストーリー展開があって考えさせられることも
沢山ありましたが、私はこのアニメを見れて良かったと思います。
人間味溢れる彼女達が今を思い切り生き抜こうとしている姿には感動させられっぱなしです。
最後の一秒まで、輝かしく存在していた彼女達を忘れることはないと思います。

キュウべえもあちこちで散々な言われようでしたが、彼(?)の発言は別に間違っていなくて
問題は言い方だと思っているので、キュウべえに心があれば糾弾されずに済んだかも知れません。
まああの無機質な考え方と淡白な言い方が彼のウリでもあるため、それらを抜いてしまうと
まどマギの面白さは半減してしまいそうな気がします。

かと言って擁護するつもりはサラサラないですけどね(笑)

何だか総評と言いつつ、話が逸れている気がするため、ここでまとめます。


初めは「魔法少女達が仲間と共に敵を倒しながら、成長していくファンタジーアニメ」だと思って
見ていたまどマギ。実はとんでもなくダークファンタジーなアニメで、人の心(メンタル面)を
フルボッコするような残虐なシーンも多く、精神的にダメージが大きい作品でした。

ですが、それよりも遥かに「美しい」物語だったと思っています。何故なら、彼女達は
自分達がこの世を去る一秒前まで、孤独に立ち向かい生きる目標を追い続けていたからです。
悩みこそすれ、諦めることはしませんでした。中学生ながらも、必死で考え、悩み、苦しんだ末、
見付けた答えが私には人間味溢れる、素晴らしい選択だったと思います。

不意打ちで殺されても、恋に溺れて魔女化しても、大切な友達を見過ごせず相討ちしても。
共に生きたいと願う友達を追い続けても、皆を守りたいと思って自分を犠牲にしても。

最後の最後まで「生きることを願う、助けたいと思う。」ことを忘れなかった。
確かに新しい時間軸でマミと杏子は生き返ったかも知れません。でもまどかが概念化する前に
体験した"死"は紛れもない本物で、まどかが願わなければ彼女達は生き返らなかった。
さやかは残念ながら生き返ることは出来なかったけど、最後にコンサートホールで恭介の演奏を聴き
涙をこぼし喜んでいました。彼女は戻らなくても、概念化したまどかの中にきちんと存在します。

ほむらだけ唯一、記憶を引き継ぎましたが、延々と魔獣退治を行う運命を背負わされました。
皆幸せだけど、幸せじゃない。この不条理さや不一致感を理解して、納得しました。

こういう気持ちになるアニメは早々見れません。未視聴の方は是非見てもらいたい作品です。

劇場版で本編の補完をしてくれるそうなので、興奮が冷めやらぬ前に借りて観たいです!
その感想も書けたらと思います。前編・後編は時間があれば、見ます(笑)

 

長くなりましたがまどマギの感想は以上とします。
お付き合いくださり、ありがとうございました!